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「み、実織様、そんなに走られてはドレスが汚れてしまいます」

前を走る実織様を追って私がそう言うと、
結い上げた髪の後れ毛がふわりと舞い、


可愛らしい実織様の表情が、
しまった! といった表情に変わった。


「あっ!そうだった!」

実織様は慌てて白いドレスの裾を上げ、
くるりと回りドレスの様子を見回した。



一目瞭然、白いドレスにはいつのまにか緑の葉や黄色の花粉、
彩り豊かな花びらが幾つか咲いていた。



「ふふ、本当の花のドレスのようですね」

実織様の可愛らしさに、
思わず笑いが零れる。

けれど、しまった、と表情を引き締めた。


「すみません、笑ったりして……」


私としたことがーー