「おはよう」

「あ、恵子。おはよう」

前の席の杉下恵子ちゃんは、私の一番の親友。

2年の時に同じクラスで仲良しになって、クラス替えをした3年でも、また同じクラスになれた。

ちなみに香山君とは同じクラスになった事がない。きっと私と香山君には、縁がないんだなと思う。

香山君とは、ただの一言も話した事がない。それどころか、たぶん香山君は私の事を知らないと思う。

私は、すごく地味だし…

「どうしたの、優子。朝から考え事?」

「え、ううん」

「ねえ、昨日は七夕祭に行ったの?」

「行ったよ。紳一と二人で」

「あの弟くんと?」

「そうだよ」