「まったく。ガキのいたずらとはね」

 パトカーに背中を預けて溜息を吐くミハエル捜査官にベリルは苦笑いを返す。

「本当の事件じゃなくて良かったと言えば良かったが、とんだお騒がせだぜ」

 穏便に片付いた事へのささやかな愚痴を背にして帰路につくためピックアップトラックに足を向ける。

「また何かあったらよろしくな~」

 振り向かずに手を上げて応え運転席に乗り込んだ。