「もう終わったんだから、さっさと出て行ってよ…。」


ムッとしながら九条君に声を掛ける。


でも、九条君は素直に出て行くかと思いきや、私の隣のイスに座ってしまった。


「今出て行ったら、知穂(チホ)と校舎のどこかで鉢合わせしちまうかもしれないだろ?上手く撒いたんだから暫くはココにいないとな。」


何それ…。
それじゃあ、まだ自習室から出て行く気がないってこと…?


鬱陶しいなぁ…。


大きなため息をつくと、九条君が怪訝そうな表情でジーッと私を見つめてきた。