湿気の多いじっとりとした季節。
髪の毛がぴょんぴょんはねて困る梅雨の時期。
それでも授業は進みます。
「満里奈、課題研究どうするの?」
「あ、植物だから校舎内探して歩くから大丈夫。七海とも一緒に入れるし」
それよりも……静くん。
静くんは空を撮るから、この時期はどうするんだろう?
「雨が降るだけで大分限られてきちゃうよね」
「……うん」
ずっと曇り空か雨空を撮っているんだろうか……?
この、どんよりとした重たい空を……。
「満里奈?」
「え?あ、ごめん。雨の日ってなんだか、気分沈んじゃうよね」
「わかるわかる!足元濡れるし髪はねるし傘面倒くさいし……」
女子にとって、雨は敵である。