「私、達川先生に恋しちゃったみたいなの」



友達と談笑しているとき、ふと隣からそんな声が聞こえた。



「えー!? 恋したぁ!?」



二人組の女子生徒が、なにやらヒソヒソと恋話をしていた。



達川先生に惚れたと言っている女は、俺の義理のいとこであり、俺の惚れた女でもある。



名前は菜摘。
ストレートな茶髪に、クリクリとした大きな瞳。


綺麗に並んでいる長いまつげ。



整った形の鼻と、ピンク色の唇。



すべてに、俺は惚れた。



菜摘とは、3歳のときに知り合った。