帝に告白されたのは、帝が引っ越す3日前。



いつものように昼休み、教室で話していたときだった。



「菜摘。ちょっと、話がある」




そう言って帝は、私を裏庭へ呼び出した。



「この花、綺麗だね」




裏庭に生えている白い花を眺めながら、帝が呟く。




「……帝?」


帝の様子が変だと気づいたのは、このときだった。




「何かあった?」



私はいつものノリで、そう尋ねた。



「……俺、引っ越さなきゃいけなくなった」



こっちを振り向かず、静かに、そして悲しそうに、帝はそう言った。