-瞬Side-


ある日の夜のことだった。



「寝れない?」

「今日、怖い映画見ちゃって…だから…瞬ん家来ちゃった」


パジャマ姿の麻友が涙目で俺の家の玄関にいた。


「あのな…」


男心分かっていなさ過ぎる…。


「だ、だって~今日瞬のパパママ出張でいないんでしょ?」


「お前ん家はどうなんだよ、都子さん心配するだろ」


都子さんってのは、麻友の母親。
名前で呼んでって繰り返し言われるからいつもこう呼んでる。


「大丈夫なんだ~。ママ今日はパパとお友達の家に泊まるって!パパ飲み過ぎちゃったみたい」


「ダメだ」

「なんで?」


麻友が口を尖らせる。


「ダメなものはダメなんだ」


麻友は寂しそうに下を向いた。


…無理だろ。

もう夜だし、

親もいねぇし、

2人きり…………。




俺の理性が持つのか?
いや持つわけねぇ。



「お願い…ね?」


「瞬~………」

麻友の上目遣い………。

そんな、そんな顔されちゃあ、
断りきれねぇだろうがー!!!





「わかった……」



今日、俺……耐えられるのか?