そう。それは、寒い冬の、雨の降る夜の事だった。



私は、岩野優菜。16歳の普通の女子高生。
今日は塾で帰りが遅くなって、結局今は9時になってしまった。

私の家は小さな洋食屋を家族で経営している。
駅の近くにあるってことで、そこそこ繁盛している。
オススメメニューは、お母さん特製の『ハンバーグ定食』。


ふと、小さなゴミ捨て場に、人影を見た。
遠くからなので、それがどういう人なのかわからなかった。
ちょっとずつ近づいてみると、金髪の私と同い年くらいの少年がびしょびしょになってうずくまっていた。