[カナタ]


ハーフタイム中、堀北さんに連れて行かれたのは体育館裏。


ボールの音が少し遠ざかる。
代わりに蝉の声が近くなって、眩暈がした。


「なぁ、カナタ」


強い光の中、堀北さんがゆらりと振り向いた。