「あっち行けよ!」

「ブス!」


何人かの男の子が輪になって何かをわめいている。

その中心には小さな女の子が一人。



そう…それが私、“桃園 美紀”だ。

いや正しくは『私だった』かな。


これは昔の夢。
すごくすごく嫌なのに、こうして度々この夢を見る。
小さくて弱かった頃の私は、反抗する術(すべ)すら知らなかった…


ただ泣くことしか出来なかったのだ。






だけど、


そんな私にも王子様は現れる。







それが彼、“柊 真人”。今も私の好きな人。