――……。


夕飯は要らないとお母さんに言い、自室にこもる。
なんだかドッと疲れた。しばらく冬馬兄ちゃんの家には行かないでおこう。
明日からはもっと早く起きて、冬馬兄ちゃんに迷惑をかけないようにしよう。

明日からのことを考えると、少し憂鬱になる。
でも、もう冬馬兄ちゃんに迷惑はかけられない。


(…良明くん、もう家に着いたかな)


キスされて、戸惑ったけれど…今会いたいと思ったのは、良明くんだった。

制服から部屋着に着替えて、カバンに入れっぱなしだった携帯を取り出す。


「メール…来てる」


会いたいと思った相手、良明くんからのメール。
絵文字いっぱいの、楽しさが伝わってくるメール。
キスをしたことについての謝罪も書かれていた。

やっぱり悪い人じゃないんだな…と、文面を見て思った。
メールを読んでいると、自然に溢れる笑顔と…涙。

なんでだろう。涙が止まらない。


「良明くん…」


気付いたら私は、良明くんに電話をかけていた。