なんか、おかしい。



「ねえ、貴方、仕事嘗めてるなら辞めなさい。」



絶対、何か違う。



「こっちの書類、至急コピー!それとここやり直しよ!」



分からないけど、引っ掛かる。



「楓ちゃん!ぼっと突っ立ってないで仕事しなさい!」



「はっはい!」



俺は、ある大手企業に今年の4月から就職した新人。名前は村瀬楓。



俺を『楓ちゃん』呼ばわりしたのはやり手美人部長。佐山丙。



…でも、ひとつおかしな疑問が俺を支配しているんだ。