振り返った先に立っていたのは
見下した様な視線を送る若い男だった。


あたしと同じか少し下かな?

白いシャツにダブリエ。
どっかのバーカウンターの人みたいな。
黒髪。
前髪長め。
襟足はすっきり目かな。
サイドは耳にかけてる。
ノンWAXかな。
スタイリングされてなさそう。
顔立ちはスッキリ。
切れ長な目。
あら整った顔しちゃって。


職業柄、洞察力があるあたしは
瞬時に相手を見定めてしまう。

主に髪型。
えぇまぁ職業病で。


相手はそんなあたしを
さもいぶかしげな顔で見ている。


「あ。タバコ・・・ですよね。」


声をかけられた意味を理解して、あたしは頭を下げた。


「ついクセになってて。すみません~・・」


24にもなって歩きタバコを注意されるとは・・・みっともな。。



あたしはそのまま
彼の顔を見ずに歩き出そうとした。



「吸いたいなら、ウチの店に入って吸ってけば」


「・・・え?」


もう一度振り返ると
彼は 「ココ」 と指を刺した。


さっきあたしが寄りかかっていた壁の隣の

<cafe GREEN>

と書いてある小さなカフェだった。