あれから一日が過ぎた。


大学が終わって、裕子と小さな喫茶店にいた。

「で、頌子はなんて返事したの?」

裕子には昨日の告白のことを話した。まぁ、物凄い勢いで驚かれたが。

「返事は、してない、です…」

結局、返事は返していなかった。あの後、黒崎君は、

「返事はまだいい。俺に時間をちょうだい?」

と言って帰ってしまった。

裕子に話すと、黒崎君やるわね、と呟いていた。それからこちらを向いて、

「頌子、黒崎君のこと考えてみたら?気に入られてるんだし。見た目はあれだけど、カッコいいし、彼氏に出来たら自慢だよ?」


「そうかなー」

「あんた彼氏欲しいんでしょ。それとも、まだ上田君のこと考えてるの?」

私はちょうど飲んでいたミルクティーを喉につまらせた。

そんなことないよ、と軽く噎(む)せながら答えると、

「本当にー?言っておくけど、もし、本当にそんなこと考えているんだったら無理よ。」

「言われなくてもわかってるよ」

私は少し頬を膨らませたあと、残りのミルクティーにまた口をつけた。