教室に入るなり、

「おはよ、穂香っ!」


と、あたしに声を掛けてきたのは。


南 亜沙子(みなみ あさこ)。

中学時代からの親友で、あたしのよき相談相手。

成績はトップクラス。
美人でスタイルよくて、とにかく完璧ガール。

不器用なのがたまにキズだったりするけど、それも彼女の性格のいいところ。

通称、あーちゃん。


「おはよぉ…」


「テンション低いねぇ。なんかあった?」


す、鋭い……


さすがエスパー。


あたしは、昨日の夢を話した。








「ってなかんじよ……」


「なるほどね。で、その彼とはどんな関係だったの?」


あたしと楓クンは幼稚園の頃、家も近所でお母さん同士も仲いいことからよく遊んでいた。


まぁ、あたしは楓クンのこと好きだったんだけど。


でも小2の時に、お父さんの仕事の都合で楓クンは転校してしまったんだ。


それが、あの夢の始まり。