当麻くんにバイクで家まで送ってもらった。


帰ってすぐに自分の部屋へ行き、着替えて宿題を始める。


机に向かいながら、浮かぶのは別れ際の当麻くんの笑顔。


当麻くんと長い間一緒にいた日の夜は、余韻に浸りすぎてなんだか落ち着かない。


ボーッとしちゃう。


ペンを転がしながら、勉強に集中できずにいると。


――ガチャ!


と勢いよく、部屋の扉が開いた。


「さ~や~」


……お兄ちゃん。


相変わらず、ノックもせずに突然入ってくる。


今日は追い返すみたいになっちゃったし、怒らないでいてあげよう。


「……なに?」


頑張って、笑顔をつくる私。