「戦闘準備完了しました、隊長!!」

目には見えない、心の隊長にピッと敬礼をした

自分に大丈夫だと言い聞かせる


右手にフライパン、左手に殺虫スプレー、頭にミルク鍋、胴体には何重にもバスタオルを巻いた


「これだけ持てば、何とか大丈夫」

あとはストーカーが起きるのを、待つだけだ


ストーカーは、起きる気配もなく、微動だにしない


程よく日焼けした肌に、日差しがかかっている


でももしも、めちゃくちゃ強かったら…

用心に越した事はない、まだ何かないかと考えた

すると、ベッドの下に壊れてバラバラになった、ルービックキューブが落ちているのが見えた

以前、母が「ゴロゴロしてばかりじゃ、脳味噌腐るわよ」と、あたしにくれた物だ


そっとベッドに近づき、ベッドから起きて足を降ろすであろう所に、ルービックキューブをバラバラと置いた


「ここら辺かな…ううん…もうちょっとこっちにも」


分解しながら、一つずつ、等間隔に置く


起きて足をおろしたら、このカクカクを踏み、痛くて飛び上がるだろうと想像をしたら、思わずにやけた


全部並び終え、しゃがみこんでいたから,少し足が痺れてお尻を降ろした


ふとストーカーを見上げたあたしは、声にならない悲鳴をあげた