リキは呆然とマツリの話をただただ聞いていた。

怒り散らす彼女はいつもの先生面ではなく、ただの狂った女。

そして痛いところを付いた言葉だった。


髪を染めている自分が急激に恥ずかしくなる。
なんだか自分が低レベルな人間に思えてくる。


しかし、自分が今こうしてマツリに責め立てられる原因は両親のせいではないか。


父親は家庭を省みず、金だけ提供する役割しか負わず女に走った。

母親からは跡取りにと英才教育に力を入れられてきた。その一方で、自分が旦那に見向きもされないのはリキのせいだと罵倒し続けた。


(親のせいじゃないか)

怒りを思い出し、リキは言った。


自分がこんなのは親の責任だと、自分は被害者だと―――