「じいちゃんは優しかった!」

過去形。分かってる。じいちゃんは…もう……いない。

「うん」

僕は頷いた。じいちゃんは優しかった。

「じゃあ、なんで泣かなかったの?なんでっ!なんでっ!?」

妹が涙目になっていることに気づいた。それが僕を、より一層苦しめた。

「ごめん」

「なんでっ!?」

「ごめん……ごめん………」

あぁ…僕は、なんて情けないんだろう。なんで…謝ることしか出来ないのだろう。