なんだか、近頃、人間不信。いつもの通学路を歩きながら僕は思った。小学生の頃は酷いイジメがあったし、中学生になってもイジメは続いている。でも、それが原因じゃない。なにか……もっと別のモノなんだ。



夕陽が僕の影を伸ばす。人通りの少ない道には僕以外の人はいない。道には、僕の影と、道の脇に植えられた樹の影が、ただ静かに伸びている。



もともと、人付き合いは得意じゃなかった。なぜだか、つい、人がムカつく言い方をしてしまうらしく、友達を作るのにも苦労した。そんな性格を直そうとして、身についたのが『譲り症』。とにかく人に何かを譲ってしまう。