翌日の昼休み。

いつものように香ちゃんの机を私の机にくっつけて、向かい合わせに加奈ちゃんが座り、二人でお弁当を食べようとしたところだった。

私の前の席の香ちゃんは、いつもお昼はどこかへ行って教室にいないので、机を借りて加奈ちゃんがそこでお弁当を食べている。

その香ちゃんが、パタパタと走って教室に戻って来た。

「ちょっとメグ、あんた…」

「あ、香ちゃん。今日は机使うの?」

「ううん、それはいい。それよりメグ、噂は本当なの?」

香ちゃんが険しい顔で私を凝視している。

「噂?」

「うん。あんたとイライラ王子が、電車の中でベタベタしてたって、ほんとなの?」