昼。

田中先輩からの誘いを、用事があるとか言って断り、俺はある時を待っていた。

少しして、隣の綾乃さんがスッと立ち上がった。
俺が綾乃さんを見上げると、彼女は俺に小さくコクっと頷いた。

「お昼ですね。行ってらっしゃ〜い」

俺がにこやかにヒラヒラと手を振ると、綾乃さんはポッと顔を赤らめ、カツカツと歩いて行った。

綾乃さん、照れてた。可愛いなあ…

よし!

俺はこの時を、待っていたのだ。