《みやびサイド》
 あたしがシャワー室のドアを開けると、
そこには腰にタオルを巻いた光ちゃんの
姿があった。上半身裸で・・・。

「ひめ・・・の?」

「光ちゃん・・・し、失礼しました!」

 あたしはそれだけ言ってシャワー室を
出た。

 そしてすぐにさっきの格好のままの光
ちゃんが出てきた。

「おい!姫野」

「光ちゃん、あたしは何も見ていません」

「もう知ってんだろ!」

「あの、とりあえず服着て」

「あ・・・」

 五分後シャワー室で着替えてた光ちゃ
んが出てきた。

「姫野あのさぁー」

「気づいてたよ」

「え?」

「バイトで会った時、最初は分からなか
ったけど光ちゃんと同姓同名だって気づ
いたの」

「・・・・」

 光ちゃんなんでなにも言わないんだろう。

「あたし誰にも言わないよ」

「ああ、サンキュー」

「美里は知ってるんでしょ?」

「ああ」

「美里にはあたしが知ったこと言わない
方がいいよね」

「ああ」

 そしてあたしはこの日から光ちゃんの
秘密を知った。

「なぁー姫野」

「なに?光ちゃん?」

「これからも今までのように接してく
れ。それと2人の時はちゃんじゃなくて 
君の方で呼んでくれないか?」

 そうだよね!男の子だもんね。

「あっ!そっか、ごめんごめん」

「はぁーお前はほんとにバカだな」

 光君最悪。

「光君はずっとあたしの事そう思ってい
たの!?」

 あたしは頬を膨らまして言った。

「ああ、初めて会った時からずっと思っ
ていた」

「光君って意地悪なんだね」

「そう、俺意地悪」

 光君がそう言った瞬間、ドアが勢い良
く開いた。

「たっだいま~」