これは偶然の出来事だった。 コロン…。 いつものように放課後、美術室前のフェンスで絵を描いていた時。 足元に小さな感触を感じた私は、思わず下を向いてしまった。 『……。』 …サッカーボール。 私はそれを無言で見つめる。 土がついていて、 少し黒ずんでる、 使い古されたそのボール。 きっと、サッカー部かなんかが、勢いよく飛ばしすぎたのだろう。