「………なぁ、昨日何の夢見たんだ?」


朝になって、ご飯を食べる妹に聞いた。


泣いていたことも、嘘みたいに。妹は笑う。


「………にーちゃ、おぼえてない?」


首を傾げる妹に、僕は小さく頷いた。


夢は、やっぱり夢だから。僕は子どもだけど、夢を全部覚えてる程、子どもじゃない。