「ふぅん…。そんなことがあったんだ」
「ムカつくでしょ!?」
体育祭の次の日。
私は体育祭での出来事を、玲菜に包み隠さず報告していた。
「アンタさぁ、まさかとは思うけど気付いてないわけ?」
「まさか!!ちゃんと気付いてるよ!!」
「…本当に??」
「もちろんだよっ私はあいつが嫌いだし、あいつも私が嫌いってことぐらいわかってるよ!!」
玲菜は私の顔を見て、はぁ。と盛大なため息を洩らした。
「どーしたの??」
「ううん、なんでもないの。ただちょっと、森崎くんが哀れに思えただけ」
「は!?」
「可哀想な森崎くん…。」
「なんで!!」
「いーのいーの。そこがアンタの魅力でもあるんだから」
と言って玲菜は、困ったような苦笑いを浮かべた。