早足で保健室に行き、中にいた養護教諭に樹里の手当を頼んだ。


「まぁ! 篠田さん!!」


ところどころに出血して入るが、病院に行くまで重傷ではないらしい。

養護教諭が慌てて傷を見た後、そう言った。


ひとまず、命には問題ない。


そう思うと、心底ホッとする。


そして、それ以上に、樹里に怪我を負わせた鎌鼬が許せない。


「……一発で仕留めてやる」


小さく呟いて、ヤツを調伏しに行こうとした時。


──キュッ


「渉……」


樹里に指を掴まれた。


顔を見ると、泣きそうで……心配そうな表情。


「……行くの?」


霊感のある樹里は、自分のケガの原因や俺がこれからどうするかわかってる。


……痛くて堪らないだろうに。

俺の心配をしてるのか。