これは2年の秋―――。



杏樹達が文化祭の《アイドルステージ》の発表へ向けて

日々練習に取り組んでいた頃の話である。









残暑が薄まり、過ごしやすい季節になった頃――


杏樹と柚莉の二人は放課後…教室で振り付けの確認をしていた。



「えっと…ここでターンして…」

「そうそう………次は……」



クラスメート達は帰宅している。


杏樹と柚莉は、A組の男子二人組が迎えに来てくれるのを待っていた。




「陸遅いなぁ………」

「ホントだよねぇ〜…もう6時だし。悠も待っているように言ってたし……帰れない」

「……セクハラドスケベ変態俺様野郎のバカ。早く帰りたいのに」



振り付けの確認も終わり、することがなくなる。



二人でボーッと窓の外を眺めていた。