あっ!
先生の車が、ちょうど校門を出た時に、私はとんでもない事に気付いた。
「どうしよう……」
そう心の中で呟いたつもりが……。
「何が?」
「えっ?」
口に出して言ってたみたいで、先生は車を停めた。
思わず先生の方を見る。
先生も私の方を見ていて目が合った。
けど、恥ずかしくて思わず先生から目を逸らした。
「忘れ物?取りに戻るか?」
「い、いえ……忘れ物は忘れ物でも……」
「でも、何?」
「あー……えっと、やっぱいい。先生に言って解決出来るようなことじゃないし……」
「何か、すっげーショックなんですけどぉ。話してみねぇとわかんねぇだろ?ほら、話してみろよ」
話してみろって言われても……。
先生は“ほら、早く”と言わんばかりに私を見てるし……。
あぁ、もぅ!