“チャポン――” 投げられた石で川に波紋が広がっていく。 誰もいない河川敷。 私は空を見上げた。 雲ひとつない春の青空がどこまでも広がっている。 太陽でキラキラ光る川面。 私の心とは正反対だ。 私の心は空のような爽やかな青色でも太陽のようにキラキラでもない。 黒――……。 私の心の色は闇のように真っ黒だった。