「はい?」


好きなんだけど好きなんだけど好きなんだけど


頭蓋骨で反響し合ってなんども耳元で反復する。


頭の中で"好きなんだけど"の文字が飛び交っている。



「……抹茶ラテが?」


「ばーか、お前が。」



ぐはっ!

そんな真剣な顔しないでくださいよ。


期待しちゃうじゃないですか。


祥吾の"お前"が私の後ろに居るんじゃないかと思って
試しに後ろを向いてみたけど

誰も居なく、私達が座っている堤防の上に蟹が横歩きしているだけだった。