【美空サイド】


「ねぇ、何してんの?暇してんならカラオケでも行かない?」


テストで赤点をとり、放課後に補習を受けた日の帰り道。


あたしは運悪く3人のガラの悪い男達に囲まれた。


ドレッド、ライン入り坊主、長い金髪。


髪型に特徴ありすぎだよ。


ボソッと心の中で呟いてみる。


でも、この状況は明らかにピンチで。



「あの……急いでいるので……」


あたしは鼻息を荒くして話し掛けてくるリーダーらしき金髪の男に、愛想笑いを浮かべた。


「ちょっとくらいいいだろ?」


「でも早く帰らなくちゃ親が心配するし……」


って、ちょっと無理があるかな……。


そう感じながらも、あたしは笑顔でこの場を切り抜けようとした。