私は夢を見ていた。

夢というよりは魂が天へ昇る道筋に意識だけ飛ばしていたというほうが正しい。

それは彼女が呼んだから。

もう天に昇ったはずなのにまだ彷徨っているのかと心配になって駆けつけてきてしまった。

暗い空間の中を数多の白い魂がゆらゆらと上の方へ流れていく。



…さ …や …



ふと呼ばれたような気がしてそちらに目を向ける。

とそこには、彼女が、この世界での唯一の理解者で友人でもある、
私とは少しも似ていない母親が浮かんでいた――。