ある夜、とある世界の、とある村の片隅の小屋で老人と若者が話をしていました。



「貴方こそ勇者様です、魔術師・清龍殿。

どうか、魔王の退屈しのぎでさらわれた奏姫をお救いください!!」


口髭をたっぷりと蓄えた老人、もとい王女お目付け役・雅が必死に頼み込みます。


しかし、清龍は言いました。


「眠い……」


「そこをなんとか!!」


「面倒くさい……」


しばらく言い合いが続きます。


「そうですか……。

どうしてもお救い下さらぬというのであれば仕方あるまい。

王宮にて密かに受け継がれてきた東方伝来の呪詛を用いて、貴方を末代まで呪って……」


「お引き受け致します」


ついに痺れを切らした老人の発言に身の危険を感じた清龍は仕方なく、王女救出の任を引き受けることにしました。