「あ~、幸せ~♪」


俺の目の前、リビングのソファーでプリンを頬張った奏が微笑んでいる。


うん、奏が幸せならお兄ちゃんも幸せだぞ!?


今は奏が男装アイドルなんてやらされているせいで、こうして家の中でその姿を見る機会が少なくなってしまった。

俺自身の仕事が忙しいせいでもあるけれど。


奏はつらくはないのだろうか?


そんなふうに不安にかられてはこうして姿を見かけ、あの頃と変わらぬ笑みを目の当たりにし、安堵する。

そう、あの頃と……。