「ハル、戻ってるんでしょ?」


「いるよ。入れば」



家に着いて、着替えを済ませてから私はハルの部屋に向かった。

いつもと変わらない、そのぶっきらぼうな答えに少し安心して、無遠慮にドアを開ける。



「…若菜ちゃんは?」


「組長のトコに挨拶に行った。サクとの勝負が終わるまではうちの離れに泊まるってさ」


「あ、そう」



ということは、ハルはやっぱり若菜ちゃんを止めてくれなかったんだ。


悔しさと虚しい気持ちが押し寄せてきて、何だかイライラする。



「で、学校休んでまで、若菜ちゃんと何の打ち合わせ?」



思ったよりもトゲのある言い方になって、一瞬ヤバイと思ったけれど、もう遅かった。

そんな私にハルは不思議そうな顔で答えた。



「別に大した話はしてないけど。ただ買い物に行きたいって言うから付き合っただけで。てか、何?何怒ってんの?」


「怒る?私が?別に怒ってなんかいないけど」


「じゃあなんでそんなにギスギスしてんの?」