「それで、あのお嬢様と勝負することになっちゃったの!?」


「うん、まぁ、行き掛かり上ね」



翌日。


オハナとノブに昨日のことを話すと、2人は揃って憤慨した様子だった。



「ハルは何やってんのよ!?黙って言いなりになるなんて」


「まぁ、組長が許可しちゃったらしいからね。組長命令は絶対。たとえ、息子だったとしても」



なんて言いながら、実を言うと私も少し傷付いた。


やっぱりハルは私のこと、恋愛の対象だとは思ってないのかもしれない。


それに、若菜ちゃんは女の子らしくて、可愛くて、ハルとはお似合いだ。



「それで、今日はハルくんは?」



まだ埋まっていないハルの席を眺めて、ノブが言った。



「今日は休み。若菜ちゃんが話があるらしくて…」


「ちょっと、そんなの許していいの、サク?抜け駆けじゃん?」


「でも、なんか大事なことみたいだったし。それに、私はいつもハルの側にいるし…」


「はは〜ん。余裕って訳だ?」



オハナがからかうように言う。