「あー、テストも無事に終わったねー!!」


私の横で、オハナが大きく伸びをした。



「本当にホッとしましたね」



オハナの隣には、ノブ。
そして私の左隣にはハル。

今日は期末テストの最終日。
やっとのことで勉強から解放されて、みんな心なしか表情が明るかったりする。
若干一名を除けば…。



「サクは無事じゃなさそうだけど。お前、この俺が直々に勉強教えてやったのに、何?その自信のなさそうな顔」


「だって、勉強は私に向いてないんだって!」


「サクの脳みそは筋肉で出来てるわけ?」


「はーるー」


「はい、はい。ちょっとストップ、そこの2人!!」


今にも一触即発の私とハルを、オハナが止めた。



「せっかくテスト終わったんだから、痴話喧嘩しないの。サクとハルが仲良しなのはよぉく分かってるから」


「べ、別に仲良くなんか…」



ない、とも断言できない。

私、九条咲良【くじょうさくら】と神宮寺晴【しんぐうじはる】は、幼なじみで婚約者でもある。


ちなみに晴の家は、三代続く極道・神竜組。

つまり、私は未来の極妻ってわけ。