「夢ちゃん、準備出来た?」

「うん!昨日のウチから、もうバッチリだよ」

土曜日の朝、小さめのスーツケースを持った海里が迎えに来た。

スーツケース?
1泊のお泊まりだよね?
確かに小さいスーツケースだけど、それも何気に有名なブランド品なんだけど…。

「夢ちゃん? 具合悪い? 行ける?」

おっと。心配されちゃったよ。まぁ、気にしない、気にしない。あの"海里"なんだから、普通じゃない事もあるんだろう。

「ごめ~ん。ちょっとボーっとしてた」

「じゃ!行きますか」

海里が私の手を取る。

「うん。let's go!!」

私達は仲良く手を繋ぎ、アパートを飛び出した。