視界に入ってきた動く獲物は必ず仕留める。
それが彼等の矜持だった。

獲物を狩れなければ餓死。
肉食動物の生き方としては普通の部類ではあるが、
その大きな身体と、疾風の如き脚と、変幻自在な走法。
食事中であれ視界に入れば取りも直さず襲い掛かる貪欲さ。
そして脚力は生き延びる為にも発揮される。
己より大きい者には決して戦いを挑まず、その脚と体色でどこまでも逃げ隠れる。

そんな生き方が人間に好意的に受け入れられ、害虫を退治する益虫として共存を許されていた。