庭には灯籠があった。

と、言っても
石灯籠を模した
太陽電池パネルにLEDライトの、いわゆるソーラーライト。

不十分な蓄電がゆらゆらとした光を生み出し、
やや低い位置から庭を照らし出す。

猫の額ほどの竹垣で囲まれた小さな庭は、
手入れの手間を惜しんで築山に白砂利、数点の鉢物が青磁風の器で置いてあるだけだったけれど、
灯籠の光がそれらの艶やかな面に反射して、夜だけはちょっと華やかに見えた。