ケータイ小説 野いちご

17ぱれっと、

男のロマンでしょーが、

修学旅行まであと2日。
休日ということで学校は休みだった。
1日限定のバイトということでやってきたのは、金持ちの家。
「あおちゃん、おは~」
眠そうにあくびをしながら家から出てきたのは拓真。
通称「プ~太郎」。好きなタイプは綾波レイ。
「プ~太郎」な拓真。略して「プ~真」である。
まぁそんな情報はどうでもいいんだけど。

「今日1日よろしくね」
「あ、うん」
無駄に広い部屋に荷物を置くと、早速という感じで拓真が言った。
「これ」
差し出されたのは、黒地に白いエプロンの・・・。
いわゆるアレだ。
「メイド服?」
「そ、着て」
はぁ?と言うあたしの声をよそに、拓真はテレビをつけた。
「なんじゃこれ・・・」
まるでどっかの世界のようなその服。
「ちょっと可愛い服って、これのこと?」
「そう。んでこれね」
またかよ、と思って差し出されたのは黒いニーハイソックス。
「何これ」
「絶対領域。最強に萌えるね」
などと意味の分からないことを言う。
「着替える場所は廊下を出て右にある部屋だよ」

「無理だよ、こんなん着れないよ」
あたしに背を向けてテレビゲームをしている。
その姿は酷く猫背だった。
「あおちゃん、世の中そんな甘くないんだから」
黙っていると、続けて拓真は言った。
「掃除して、おやつの時間になったら終わりにしていいよ~」
おやつの時間・・・。
時計を見ると、もう午後一時だった。
「・・・分かった」
一日一万円。
馬鹿みたいに長い廊下を抜けて部屋に入って着替える。
「なんじゃ、こりゃ・・・」
こんな姿、頼たちに見られたら・・・。
と思い、鏡に映る自分を見ていると、ドアの向こうから人声がした。

「・・・押すなってっ」
「おれじゃねーよ!こいつだよこいつ!」
聞きなれた声。
もしかしや・・・と思いドアを開けた。





< 31/ 51 >