「何話してたの?」
旬斗が頼に話す。
「世間話」
その間にあたしは歩と拓真を起こした。
歩はすんなり起きたけど、問題が拓真。
「拓真ぁー、起きろー」
なんて言ったって起きないのは分かる。
「拓真、起きたらぎゅーしてあげる」
その言葉を聞くと必ず起きる。
そして起き上がった瞬間、言ってやるのだ。
「頼が。」
「えー、」
とブーイングをされたってシカトをする。
これが至って普通のことだった。

「放課後どうすんの?」
和也が久しく声をかける。
「俺はバイトー」
頼が言う。
「あ、あたしは塾あります」
歩も続けて。
「僕はあおちゃんとデート」
その言葉に和也と頼、旬斗が「は!?」と言った。
「違う違う、ちょっと二人で出かけるだけ」
「じゃあ俺も行くー」
和也が言った。
「じゃあ、俺も・・・」

「だめ」
そう言ったのは頼だった。
「旬斗は歩ちゃんと一緒に帰れ」
なんで、という顔をしている旬斗。
ふいに目が合う頼とあたし。
それは酷なことだと知っていた。
「、そうだよ!旬斗、歩と一緒に帰りなよ」
声が震えてしまう。
分かった、なんて納得している旬斗。
一緒になんていれない。
そう思ってしまうのが、今の心境だった。