そして、隼人がコンビニから帰ってきて、俺は「話したい事がある」と、隼人をソファーに座らせた。


「どうした?」

「今からする話は、時が来るまではお前らの胸の中だけにしまっておいて欲しいんだ」


隼人も美佳も、不思議な顔をしていた。


そして俺は静かに口を開いた。


「藤沢は、兄貴の彼女だったんだ」


俺のこの一言で、最初に声を出したのは、隼人だった。


「え……マジ?藤沢って、美佳が前に話してた?」

「うん」


どうやら美佳は、隼人に藤沢と俺の事を相談してたみたいだ。


「お兄さんの彼女……だったんだ」

「夕斗、お前何で兄貴の彼女とかいう人と一緒にいるんだよ」

「何で一緒にいるのかって聞かれると、よくわかんね―。けど、そんなに深い意味はない。そして俺は決めたんだ。藤沢にもっと笑っていてほしいって」

「夕斗、お前まさか……」


隼人が何か言いかけた時、美佳の震えた声がした。


「何で?何で夕斗がそんな事する必要あるの?」

「わかんね―けど、ひとつ言えるとすれば、俺と藤沢は似てるから。兄貴を亡くしてどうしようもない気持ち、俺にもよく分かるから」

「夕斗……」


隼人は俺に何か言いたそうだった。

すると。

「納得いかない!」

美佳が勢いよく立ちあがった。


「美佳」