「“由優のこと…宜しく頼む”って言ってた。俺、その瞬間、すげぇ嬉しかったよ。」


満面の笑みで見つめてくれる理緒につられて、私も心が踊るくらい嬉しくなる。


良かったぁ…。


ホッと胸を撫で下ろしていると、理緒が携帯電話を取り出す。


そして、画面で時間を確認した後、私に再び優しい視線を向けた。


「そろそろ学校行こっか…。由優とゆっくり話をしながら登校したくて、早めに迎えに来たからさ…。」


普段なら、私はまだ家を出る時間じゃない。


いつもは、家でボンヤリと過ごしているんだけど…


その時間が理緒と一緒に登校する素敵な時間に変わるんだ…。