「ない~…ないよ~…」




どうしよう!


たしかに、屋上で無くしたと思うんだけど…。


どうして?!


どうして、こんなにも探しても生徒手帳が出てこないの!?




「…も~、最悪~…っ!」




あたしが、そう叫んでいると後ろに気配を感じた。


すぐさま、振り返ると目の前に立っているのは可愛い笑顔をした男の子。


か、かわいい~っ!!




「あの、愛莉先輩が探してるのって…」




男の子は、ウルッとした瞳を見せてあたしを見る。


って、そんな目されたらトキめくじゃん!





「これ…ですか?」





そう言うと、ポッケからあたしの生徒手帳を出した。


え!?この子が持ってたんだ!!




「それそれ~!ありがと、後輩くん」