目の前には、



『Moon Light』



という大人っぽい雰囲気の喫茶店。





ここのマスターが、私の古くからの知り合い。


知り合いっていうか、親友って言ったほうがいいのか……。



いや、いいセンパイ?っていうの?




まぁ、何て言えばいいかわかんないけど、親しい人ってこと。







チリンチリー…ン…――――





………あ、私だってわかるかな?


いつもは女のあの姿で来てたからな…。




考えてみれば、今私は男の姿。



この姿じゃ、タケと会ったことない。






驚かせちゃおうかな…?






「いらっしゃーい!
…あれ?
見ねえ顔だな」









………うん。

完璧気付いてない。