一目惚れだった。
大学に入学してすぐ、女の子たちの輪の中にアナタを発見した。
綺麗に整った顔。女の私より、ずっと美人なんじゃないかって思った。
キャーキャー騒ぎながら、彼の周りを囲む女の子たちを遠目に見ながら、騒ぎたくなる気持ちも分かると密かに共感していた。
そんなある日、駿と彼が一緒にいるところを目撃した。
駿は私の幼なじみ。小中高、そしてついに大学までも同じになった、切っても切れない縁のヤツ。
急いで駿に尋ねれば、どうやら学部とサークルが一緒になって仲良くなったのだとか。
あんまり私がしつこく訊いたせいか、駿には気持ちがバレてしまった。そうなると、駿は意外と気が利くもので、彼に私を紹介してくれた。
「吉良です」そう言って微笑んだ彼の表情は、目を瞑りたくなるほど綺麗で、私は一瞬で虜になった。
それからは、よく３人で遊ぶようになった。
吉良くんは見た目以上に素敵な人だった。近くにいればいるほど、恋しい気持ちは大きくなって。いつの間にかどうしようもないくらい大好きになっていた。
でも、こんな素敵な人に私がつり合うわけがない。そう思って、友達以上の関係には踏み込めなかった。
───なのに……。
私は今、彼の腕の中にいる……。
