ケータイ小説 野いちご

地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

*第九章*
†闇に染まった心

――杏樹Side――


陸が病室を出て行った直後、会長が入って来る。


「ちゃんと言えたか」


何をかというと……陸への別れ話。

あたしからは、きっぱりと話したのに……あの人は承諾してくれなかった。

なんで?

別れ話は嬉しいことじゃないの?

本命の二宮さんのところに行けるんだよ?


疑問ばかりが、頭の中を占める。


どうして……「別れたくない」って言ったんだろう。

布団を握ってた手に重ねられた陸の手は、前と変わらない温かさがあったけど……震えてた。



「……別れたのか?」

「ううん……」

ブンブンと顔を横に振る。

会長が隣にいても、俯いたまま白い布団を見つめていた。

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